2015年10月29日木曜日

久しぶりに泣いた

この世の常として、どんなことが起きてもおかしくないのだが、想像できないようなことは、きっと自分には起こらない、と思うことによって日々の平和な日常は成り立っている。

ごくごく近しい存在の人が身罷ってしまった。あまりにも突然で、頭で理解できるほど冷静に受け入れることもできなくて、少しの時間が経ってしまった。近しい人のいきなりの死は、自分の中にあるその人とのごくごく普通の思い出を、空っぽの虚無のようなものにしてしまう。そのあっけなさと、彼があちら側へ持っていってしまったものの大きさがしみじみと悲しい。僕よりももっと彼に近い立場にいる人々のことを考えると、胸が痛む。




彼の魂の安らぎのために・・・・Maurice Ravel [Trois beaux oiseaux du paradis]
モーリス ラヴェル作曲 3つのシャンソンより[天国の美しい3羽の鳥]


2015年9月9日水曜日

僕は人殺しの子供の子供だった

つまりそういうこと。これは事実であって、その殺人が行われたのは、今からたった70年ほど前の話だ。人殺しの子供とは僕の父であり、母であって、人殺しとは僕の二人の祖父である。つまり祖父は二人とも太平洋戦争に従軍していた。

戦後70年経って、戦争当時若年兵といわれた人でもすでに90歳近い。当時現役だった20~40歳の人々はすでに鬼籍に入り直接話すことは出来ない。70年前と言ってもたった2世代前の話だね。

以前父にそれとなく聞いたことがあるけれど、祖父は戦争中の体験をほとんど語っていないようだ。それはそうだよね、自分が人を殺したり、仲間が殺されたり、そんな話を家族、ましてや子供には出来ないよね。しかしたった2世代前の僕の肉親はそれを目の当たりにしていたわけだ。


戦後70年ということで、今年は節目の年らしい。8月には主にNHKで戦争特番が放送されるのだが、今年僕は2本の番組をみた。

「カラーでみる太平洋戦争」

「終戦から7日目 戦争は終わった」

8月になると毎年少し戦争の勉強をするのですが、日本における第二次世界大戦といえば、
・中国と戦争
・ハワイの真珠湾
・東南アジアで戦争
・原爆
・敗戦
・戦後
という切り口が多いなと感じた。僕の祖父たちがどんな場所でどんな戦いをしていたのかというのは、テレビ、新聞といったメディアにおいては「軍部の妄信により補給も無いまま、物量に勝るアメリカと戦っていた」という切り口ばかり。

前線のこっちとあっちにの両方に同じ人間がいて、イデオロギーのために、国の命令によって人を殺しあっていたというひとつの事実に行き着くのは容易ではない。戦争反対というのは、自分が殺されるのはまっぴらだという正当な理由の他にも、人殺しになるのはごめんだぜという素朴な理由もあって、そうならないためにどれだけの努力を重ねるのかということではないのだろうか。

自分で出来ることも少しはあるはずだ。まずはそこを考え、実践していこう。

今聞いているのは、Maurice Ravel [Le Tombeau de Couperin-V-Menuet]
演奏はSamson François。この曲は第一次世界大戦に従軍したラヴェルが戦死した知人ジャン・ドレフュスの名前が冠されています。とても良い曲です。


2015年5月3日日曜日

Erbarme dich J.S.Bachのマタイ受難曲より

音楽は何かを予兆させるものだけれど、この曲の冒頭のバイオリンソロほど、
私の心をかき乱すものはありません。キリスト教徒ではないけれど、これが音楽が持つ力か・・・

スコアをみたいマニアックなあなたはこちらから。
184ページからです。

J.S.Bachのマタイ受難曲 第39曲アリア、「Erbarme dich(憐れみたまえ、わが神)」は年に何度か深く聞き込んでしまう名曲なのだが、今回は特に収穫があった。YouTubeでこの曲を探していたら・・・・ これを発見しました。

Nathalie Stutzmann - Recording Bach aria "Erbarme dich"


今回はバイオリンソロの演奏に着目して良い演奏がないかな・・・と探していたのだが、
このバイオリンソロのせつなさはかなり好み・・・。どうやら日本人のようなのですが、詳細はまだわからず・・・。

そしてアルトの歌い手が個人的なツボ!アルトはナタリー・シュトゥッツマン(Nathalie Stutzmann)という人でした。この芯が通っている感じの声!深み!ビブラートの少なさ!やっぱ女性はアルトだね。


参考までに同じシュトゥッツマンですが、バイオリンソロが別人でオルガンが少しうるさいです。

2015年2月16日月曜日

thanks NHK-FM

僕の生活における音楽面を豊かにしてくれるのは主にNHK-FMである。クラッシック系の番組が多く、知らない作曲家を知る機会を得るからだ。ここ1年ほどでヴァスクスを知ったし、つい先日はスペインのバロック期の作曲家ビクトリアの宗教曲も知った。このような曲は自分で選んで聞く機会はほとんど無いだろうし、ネットによって放送中の曲を容易に調べられるということもあります。

ビクトリアの曲は聞いていたときにバッハの宗教曲とばかり思ってたのですが、バッハより前の時代のスペインの作曲家のようです。音楽が宗教の内側にあった時代の合唱というシンプルな響きの中には今の世の中では忘れてしまった、神の大いなる力の下にいる人間の祈り、というようなものを感じます。無心論者ではありますが・・・音楽を通して神の力の片鱗に触れようとする人間の努力とでも言うのでしょうか。少なくとも今も(それからこれからもずっと)僕の中で宗教心というものはつちかわれる事は無いでしょうから、宗教の中の音楽に神秘性を感じずにはおられません。


もうひとつNHK-FMの良番組はなんといってもピーター バラカンの「ウィークエンド サンシャイン」です。この番組を聴くために7時20分にラジオをONにする価値あります!
ロック、オルタナティブロックを中心に、ビートルズやデュランなど今だからあまり聞かれない曲やそのカバーなど選曲がとてもレベル高いです。洋楽ではタワレコのbounceも情報源でありますが、クラブシーン、アイドル、アニメなどサブカル系全盛の今、僕にとっては得るものが少なく、広告と連動しているのがあけすけな記事内容はすぐにおなかいっぱいになってしまいます。とはいえフリーペーパーなのでCDはタワレコで買うようにしています!


Tomas Luis de Victoria Tenebrae Responsories
日本語だと「聖週間のレスポンソリウム集」といったタイトルです。(まだあまり調べていないので意味とか、曲の構成とか良くわからない)バッハの宗教曲と共に、俗っぽい表現ですが「ごめんなさい」って謝りたくなるような曲です。



ペトリクス ヴァスクス
 

この曲はピーター バラカンが教えてくれました!


Keb' Mo' The times they are a-chaingin

2015年2月12日木曜日

冬のアイス

夏と並んで、冬はアイスの種類が充実する時期だと思う。

さて、2014-2015年のアイスですが、値上がりの余波をモロに受け主な価格帯は150~180円くらいにシフトしまった。僕としては130円、せめて150円くらいがアイスで買おうかなと思う限界なので残念な時代になりました。

今年はじめて食べた丸永製菓の「おいももなか」が意外と美味しかった。このサツマイモアイスの味、どこかで食べたサツマイモ菓子の味と同じなんだよな。なんの味か思い出せない・・・。
丸永製菓はエスキモーを吸収した森永製菓についで期待を寄せているメーカーです。

ほんとに美味しいアイスは180円ゾーンにあると思うのだけれど、そこまで出さなくても
板チョコアイスあいすまんじゅうモウの3品は楽しめます!

2015年1月3日土曜日

年末、年始の音楽

年の変わり目において、何の曲で年の終わりを向かえ、何の曲でその年が始ったかというのは大切なことです。

2014年の最後に聞いたのはClaude Debussy Cello Sonataでした。
ドビュッシーの室内楽の名曲です。




2015年に最初に聞いたのは、Maurice Ravelです。
ラヴェルの室内楽の名曲です。
!!!!!このチェロの人、知っているぞ!!!!


2014年12月28日日曜日

クリスマス 2015

個人的に、宗教に関してはかなりニュートラルなのでNHKの朝のニュースで今日はクリスマスです!と浮かれて言っていたりすると、どうなっているのだ?と思ってしまうのだけれど今ではすっかり日本に取り込まれているクリスマスですね。

経済効果も馬鹿にできないので、今後日本のクリスマスが衰退していくことは無いでしょう・・・

子供が、サンタの存在を信じ、純粋な気持ちで祈っている姿を見ると、自分には無い美徳をみているようでなんとも複雑な心境です。クリスマスケーキは自分では作らずに・・・・「スワンベーカリー」で冷凍ケーキを買って(買わされて)います。5年位前のケーキはずいぶんとひどい内容で、冷凍焼けしかけていたり、形が微妙だったりだったのですが、毎年味も形もレベルアップしています。
数年前からは普通の店のケーキと遜色なく美味しく、今年はかなりいい線いっていました。

世の中浮かれるクリスマスですがスワンベーカリーは「焼きたてのパンやケーキのおいしさで障がいのある人もない人も、共に働き、共に生きていく社会の実現を目指しています。」という理念のもとに運営されていて、そこの商品を買うというのはクリスマスにふさわしく、少し良い気分です。

そのケーキにろうそくを立て、火をつけて、クリスマスの歌を妻と子の3人で歌ったのですが、保育園で歌っている「もうすぐクリスマス!ツリーを飾ろう!・・・」と5番まである歌を歌いました。その間ロウソクのろうがケーキに垂れそうでドキドキしてしまいました。

また、雰囲気作りのために購入したシャンメリーを飲んだ息子は「こんなに美味しいものは初めて飲んだよ!」とハイテンションで言っていました。僕はコップいっぱい飲むのがやっとの、不味い代物だと思いましたが・・・・。来年はスパークリングブドウジュースにしようと心に誓いました。

今聞いているのは、J.S.バッハ [トッカータとフーガ]ストコフスキー編曲オーケストラ版
NHK-FMで聞いたのだけれど・・・・オケ版も良いね。