1:村田エフェンディ滞土録 梨木 香歩
これは名作です。明治初期の日本から土耳其(トルコ)への(トルコの)国費留学生の日々が
描かれています。ドイツ人、ギリシア人、イギリス人、トルコ人の共同生活の中では、さまざまな
価値観が入り乱れているのですが、それぞれがそれぞれを受け入れていく様がなんとも面白い。
グローバル化とか言われている昨今ですが、それは今も昔も同じことのようです。
最終章の「日本」は何度か読み返してしまった。それほどしみじみと心に染み入る内容です。
数年ぶりの再読なのですが、この時期に読んでよかった。
2:海うそ 梨木 香歩
昭和初期の九州地方のとある島を舞台とした小説。その島独特の宗教と自然か複雑に
絡み合い、その謎にひかれた地理学者のフィールドワークの話。
梨木さんは江戸末期から明治時代にはまだあった、人間の外の世界(あるいは人間が自ら作った自分以外という意味の世界か)に興味が尽きないのだろう。神様、もののけ、怪しきもの・・・。
3:天の梯(そらのかけはし) 高田 郁
ついに完結です。前号、前々号と辛い涙ばかりだったのですが、最期は円満でおわり。
友のことも、恋のことも、そうなるとはわかっていたのですが、そういうふうに話が進んだか!
長い間楽しませてもらいました。
4:江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 原田 実
江戸しぐさとは「江戸時代に当たり前だった相手のことを思った作法」というようなもので、
一部教育現場や企業にも導入されていたりするのだが、その出所がトンデモ系の
でっち上げだっだというのが本書の内容。ノンフィクションで、確かに江戸しぐさはトンデモだと
思えました。身近に江戸しぐさがある方、本書を読んでどちらが正しいか判断してください。
5:丹生都比売 梨木 香歩
丹生都比売を含めた梨木さんの短編集。しかしどうだろう。梨木さんの短編はあまり世界に
なじめなかった。これは川上弘美のときと同じ感じなのだが、短編小説のなかで作られる強烈な
世界観には波長があって、そこが同調しないとうーんって感じている間に読み終わってしまう。
梨木香歩を集中して読みましたが、2014年中に5冊読み終わった!
今聞いているのは、John Lennon [Happy Christmas(War Is Over)]
キリスト教徒ではないし、クリスマスといってもさほど楽しみではないのだが、
子供がクリスマスを楽しみにしている、というのは純粋さがあってほほえましい。
この曲、今年はまだラジオ、テレビでは聞いていないな。
ジョン レノンのLegendというCDに収録されているけど、この次の曲が
「Give Peace A Chance」・・・。これは切ない。
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