2012年4月3日火曜日

忘れられないミニクロワッサン、昔物語

つい数日前、銀座の松坂屋の無印良品に行ったら(なんと4月9日まで全品5%オフだった)、B1の食品売場にミニクロワッサンで有名なMiniOne.がありました。そうか、天板には4×6列で並べるのかという発見があったのは店がかなりオープンな作りだったからです。種類も僕がよく利用している池袋の店より多かった!

 今を遡る事16年前、今は亡き祖母が白内障の手術をするために病院に入院しておりました。小さいときから可愛がってもらっていたのでお見舞いに行こうと思ったのですが、お土産を何にしよう・・・と考え選んだのがMiniOne.のミニクロワッサンでした。当時、かなり流行の先端をいっていたチョイスだと思うのですが、僕にとって人生における量り売り初購入で相当びびりながら10個程購入しそれでも700円かからないほどだったのでお土産にしては安く済んでしまったという記憶が今でもあります。

購入してから20分後くらいに病室に着き、祖母にミニクロを渡し、月並みの世間話をして帰ったのですが、その後、祖母本人からも、祖母が亡くなった後には同居していた叔父叔母からも、何度も何度もその時の話を聞かせてもらいました。

手術前で心細かった時に、孫が、温かい食べ物を持ってきてくれたのが非常に嬉しかったようです。6人部屋だった気がするのですが、他の高齢の入院患者には見舞い客も少なく「藤田さん(祖母)はいいね」と同室の患者にもうらやましがられたのも喜んでくれた要因のひとつでしょう。

「持ってきてくれたパンがね、まだ温かくてね・・・。甘くてとっても美味しかったよ」と祖母は何度も言ってくれました。年を重ね、老衰で入院し、今際のちょっと前にも同じ言葉を言ってくれました。

当時も今も(金額的にも)たいしたことをしたつもりはまったくないのですが、それをここまで受け取ってくれた祖母の気持ちが最近になって少し分かるような気がしました。

とうわけで祖母ちゃん、幽霊になってどうぞ(ひ孫の)パゴダをいつでも見に来てください!

この1年くらい前から身近にあるMiniOne.でミニクロを購入する時はいつも思い出しておりました。ちょっとせつない思い出のあるパンです。

今聴いているのは、Claude Debussy [La Cathedrale engloutie]
YouTubeではミケランジェリの演奏でどうぞ。

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