2012年9月3日月曜日

タルケンと雲

タルケンという教師(たぶん苗字が垂水とかだったのだろう)のことを今でも覚えている。パーマの白髪、初老の小学校の理科教師だった。僕はタルケンに1年間理科を教えてもらったことがあるのだが、たぶん小学校3年か4年のことだと思う。タルケンは僕にとても大切なことを教えてくれた。大切なこととは・・・「相対的と絶対的」という概念。

当然10歳程度で相対的だの絶対的だのを意識していたわけではないのだが、タルケンが僕にした「走っている人と遠くの雲はどちらの方が早く動いている?」という問いに対し、「走っている人の方が早い・・・。だって動いている距離を比べると走っているほうが大きいから」というようなことを答えた。もちろん、雲の方が動く速度は早いのだが、この問答によって単純に自分が持っている尺度で比べられないこともあるのだなとなんとなく思ったわけです。なんとなくだけれど。

タルケンは「雲の形は変わっていくことと、雲が消えること」も教えてくれた。それまでの僕は雲は形を変えずに、なんとなく風上から流れてくるものだと思っていたので一気に世界が変わったわけです。じっとみると確かに雲の端では雲が消えている。

今では懐かしい思い出なのだけれど、雲を見ると結構思い出します。タルケン、まだ生きているかな・・・。


この画像は暫く前の空。あまりに暑い夏の午前中だったのだが、夏らしい空の色ともくもくと成長中の雲の様子は何度見てもステキです。

今聞いているのは、ボロディン[ダッタン人の踊り]
オケやブラスをやった人なら一度は出会う衝撃の曲ではないでしょうか。
冒頭のフルートを聞くと夏の積乱雲をなぜか思い出します。指揮はギルギエフ!

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